久しぶりのブログです。
〈ヴァンヴの犬〉
この小さな犬は、パリのヴァンヴの蚤の市で見つけた。ミニチュアのセットのひとつみたい。
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〈page a day gallery calendar dog, april 20 monday 2020〉
〈脊柱管狭窄症〉
4月7日から、脊柱管狭窄症の手術のために入院していました。参宮橋脊椎外科病院の院長さん、主治医の吉田先生、看護師さん、理学療法士さん、X線・MRI・CTの技師さん、栄養士さん、配膳さん、お掃除係さん、お世話になりました。いい病院です。
病室の窓から代々木公園の緑が見えます。4月18日、雨の土曜日に無事に退院しました。しばらくはコルセットの生活ですが、手術のおかげで脚の痛みもなく歩いています。
〈自然〉
新型コロナウィルスはすごい奴。まるで人間を試しているように思える。自然には人間のコントロールをこえたものがあることを、まざまざと教えてくれる。うかうかしていてはいけない。
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〈北上次郎〉
「週刊文春」の3月5日号の表紙絵はレモン。渋い色調のなかに鮮やかな黄色。ずっと毎週買ってたけど忘れている。記憶にない和田さんの絵の多いこと。
この号の〈文春図書館〉の「著者は語る」で、北上次郎さんの最新エッセイ『息子たちよ』についてのインタビュー。
〈苦労の末、内定を貰うも「まさか製薬会社で働くとは思ってもいなかったなあ」と呟く次男〉について、『息子たちよ』で「それでいいのだ(略)自分の気に入った服を探すのもいいけれど、いま着ている服を好きになること、そして自由に着こなすことも大切なのではないか。父はそう考えているのである。」と書き、インタビューの最後に「僕も会社を何度も変わったし、夢破れうつむく友人を多く見てきました。人生思い通りにならないことの方がずっと多い。たまたま好きなことが出来ていたら丸儲けです。それより、現在の“ダメな”自分を肯定しつつ理想を仰ぎ見る方が、余程楽しいと思うんです」と語っている。
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〈「シナリオ」〉
「シナリオ」、昭和21年創刊、日本シナリオ作家協会が発行する雑誌。2020年1月号からリニューアルデザインを手伝う。1月号の表紙は伊野孝行君の描く山中貞雄、2月号は南伸坊さんが『運び屋』のクリント・イーストウッド。3月号は長野の古い映画館。
ロゴのデザインは「ヨコカク」の岡澤慶秀さん。カタカナ4文字を、太さとプロポーションが違う書体で組合わせたいという私の希望に、5書体5ウエイトのセットを作ってくれた。これを毎号ちがう組み合わせで使っていく。岡澤さんの巧妙なデザインに、気がつく人は多くないと思う。変えても同じ雰囲気になるのが面白い。欧文書体、表紙のデザインや絵や写真も毎号ちがえる。本文のイラストレーションは、一冊まるごと伊野孝行君である。
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〈金森幸介50周年記念日〉
金森幸介君の3月1日の、デビュー50周年記念日のライブのチラシ。デビューからの歌を時代順に歌うらしい。歌詞集『心のはなし』と同じ森英二郎さんと私のコンビ。森さんの絵は、木版画ではなく版木に彫り込んだものに彩色している。原画のサイズは小さい。表(名前が彫ってあるもの)は、天地12.5センチ、左右10.5センチ。裏(全面)天地12.5センチ、左右8.8センチ。いつもの木版画とは違う味わいが面白い。
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今回はラジオの聞き書きをふたつ。
〈選挙〉
TBSラジオの「荻上チキ・Session22」で、慶応大学法学部教授の小林良彰が、彼の調査では日本人の政治意識は決して低くないと言う。
「(小林)今回有権者はきちんと判断してるんじゃないかと思いますね」
「(チキ)うーん、なるほど。さきほどね小林さんがね、あの、多くのひと達は政治には感心をもちつづけているが、投票先がないから投票行動という形ではとらなかった、でも、それはべつに政治には無関心になったわけじゃないという話ありましたよね。これは調査でもそうしたことが浮き彫りになってくるわけですか」
「(小林)なります、はい、だから何十年か調査をやってますけども、政治に対する関心とか知識と、いろいろ訊きます。政治に対する知識といって、あなたは知識がありますかないかなんて訊きませんよ、それはみんなありますとか。そうではなくて、アメリカの副大統領は誰ですか、とかね」
「(チキ)ほう、ほう」
「(小林)ま、色んなそういうものをたくさん訊くわけですよ。色んな問題を」
「(チキ)知識浸透度とか」
「(小林)あるいは連座制で適用は何年ですかとかね、そうするとその回答の、ま、正解率とかそういうものの割合を見てくると、けっして落ちているわけじゃないんですよね。だから、ほんとに、ま、冒頭でも申し上げましたけれど、れいわ新選組とかですね、あるいは、NHKのその政党とかっていうのがとるっていうのは、やっぱりそれははけ口ですよ。だからものすごく閉塞感をもってるわけですよ。でもそれに対して今の野党が応えてくれない、だから、じゃあ、もうそういうところに、ともかく棄権するより入れてみようというひともいれば、入れてもしょうがないから棄権しようというひともいるっていうところでですね。全然、政治にもう興味がなくなったっていうわけではないんですね」
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同い年の橋本治さんが逝ってしまい、そのことを書こうと思いつつブログをさぼっていたら、先週、昔の友人が亡くなった。私より1歳下の寅年。もう20年以上会っていない。いつも心の中によく切れるナイフを潜ませているような奴だった。実際にナイフをポケットに忍ばせているのを見たことがある。彼がそれを使うことはなかっただろう。とても頭がよかったのに、彼がさわるものは最後には壊してしまう。話がおもしろく、機転がきいてひとに好かれた。いろんなところに顔を出して、気に入られてはさまざまなことを手伝っていた。本当はなにをやりたかったのか、今はもう訊くことができない。いまさら訊いてみたところで一笑にふされるだけかもしれない。ひとの評価は、私ひとりの見方ではきめられない。私が感じているのは、彼の小さな一面にすぎないであろう。ひとはひとが見るよりもっと多くの側面を持っている。冥福を祈る。同世代のひとが逝くとなんだか急かされているような気になる。
去年から、いくつか私家本をデザインした。一番最新は、金森幸介歌詞集『心のはなし』。彼は来年でデビュー50周年。本人自選の30曲の詞に、森英二郎さんが描き下ろしの版画をつけている。去年5月に金森君に会ったときに頼まれた。森さんに絵を描いてもらって三人で。森さんにはすべて新作でなくてもよいと(金森君については、これまで折りにふれ描いているストックがある)相談したが、30点のオリジナルをそろえてくれた。この本は金森幸介の歌詞集でもあり、森英二郎の版画作品集にもなっている。
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〈顔真卿〉
メトロの顔真卿のポスター。あれれ、宋朝体で横組? しかも「顔真卿」、わが目を疑う。サブタイトルの仮名は擬古的な明朝体と宋朝体いっしょにしている。こんな仮名だって横にするのは無理じゃない? 宋朝体の仮名では変だったのか。その下の短いリードでは、似たような仮名に明朝体の漢字を合わせている(寄り引き悪し)。バラバラだね。
〈さんだんじゅう〉
ラジオから、突然「散弾銃」という物騒な言葉が聞こえてきた。「散弾銃? サンダンジュウ?」。おせち料理のコマーシャルの「三段重」だった。
〈貼り紙〉
メトロのドアの貼り紙。漢字にルビ。まず上の漢字2字は中付き、下はグループルビ。〈注〉のルビが3字だけど文字が大きいのでルビは親字1字におさまる。いずれにしても字間をあけて組んでいるので、無理なく中付きで大丈夫。よく見ると字間のアキがバラついている。これくらいの字数なら、そろえるのにそんなに手間がかからないのに雑である。書体はMB101B、この仮名はクセがつよい。デジタルになってからはこの書体を使っていない。こんな注意書きに向いているだろうか。気難しいおっさんに言われているような気になる。
〈伊野孝行君と一休さん〉
伊野孝行君が描いた、一休さんの絵の展示が、11月から12月にかけて京都の二つのお寺であった。大徳寺塔頭の真珠庵での襖絵の競作と、京田辺の一休寺での絵巻と掛け軸。どちらも、NHKの『オトナの一休さん』(2016年、全26話。1月からまた再放送があるみたい)がきっかけだそうだ。両方とも見に行ったけれど、作品は撮影できなかったので、お寺の周辺の写真と伊野君から借りた写真を見て下さい。大徳寺は二回行った。最初の10月14日は、大徳寺には塔頭が多いので、そっちを見物していたら真珠庵に行く時間がなくなり、11月8日に京都の友人をさそって再訪。一休寺は京都市内の中心部からは離れているので、あらためて11月30日に行く。これを逃すと、お寺以外で彼の絵を見られるのはいつになるかわからない。
大徳寺塔頭の特別公開。見事な庭を見ることができた
真珠庵の伊野君たちの展示の看板
真珠庵の由来である
真珠庵のパンフレット
伊野君の一休さんの御朱印帳。御朱印集めの趣味なんかないが、伊野君のためである
一休寺「祖師と肖像」ポスター。伊野君の一休禅師とお寺が所蔵する重文の頂相が並んでいる
一休寺の伊野君と作品
一休寺の伊野君の色紙。本人に予約してもらって最後の一枚をゲットした。伊野さんありがとう
一緒に売ってmoga(北野深雪さん)の大燈国師のストラップ
一休寺の見事な紅葉はCMのまま
一休寺のパンフレットは三つ折り。お寺を出るとき、受付でお礼をしたら係のおばさんから「ようお参りでした」と言葉をかけられた
〈平松洋子さん〉
最近の私がデザインした本。長くなるので一回に一冊ずつ。
『そばですよ』平松洋子著/本の雑誌社/四六判並製
「本の雑誌」で連載中。毎月たのしみにしている読み物。いわゆる立食いそばだが(この本では立ちそば)、そば屋さんのガイドブックではない。味だけではなく、それぞれのそば屋さんのお店の雰囲気から店主や、なりたちが語られている。どの店も、平松さんの気持ちのこもった視線で書かれている。東京にある立ちそばのすぐれたルポルタージュだ。お店のなかでは、「峠そば」「ファミリー」「はせ川」「田舎そば かさい」で食べた。最初の2店は、本文のカラー口絵の撮影のときにいただいた。どちらも美味しい。「はせ川」は仕事場の至近距離で、「かさい」は地元の中野駅前なので、連載を読んでから、何度か食べた。この本を読むと紹介されている全ての店を訪ねたくなる。先日、「人形町ヴィジョンズ」での「風刺画なんて」展のついでに、編集長の浜本さんおすすめの「福そば」に寄った。ここもよい。カバーの絵は、庄野ナホコさん、口絵の写真はキッチンミノルさん。
平松洋子さんが自分の本について「週刊文春」(12月13日号)の連載「この味」で書いている。
〈夜も明けないうちから毎朝だしを引き、つゆを仕込み、天ぷらを揚げ、自分の味をお客に手渡す個人店の暖簾の奥をじっくり取材させていただいた。〉
〈京都の写真〉
京都の地下鉄烏丸線今出川駅のおじさん。
太い丸ゴシックと太い楷書の組み合わせ(下鴨神社にて)
「こわれやすい」という名のパーマ屋さん。FRAGILEといえば、STINGの名曲。建物と書体の組み合わせが絶妙。角でスペルを割っているのもセンスいい。
自動車屋さん。堂々とした文字
いい丸ゴシックじゃないですか
プラハのキュビズム建築を思い出す。この窓の多さとビルの形
太い楷書。誰が書いたのかな。糊のきいた白い暖簾とのコンビネーションで美味しそう
すりガラス。上のほうでグラデーションにして、最初の一字が抜きになっていない不思議なデザイン。
一汁四菜、五百円定食。黄色い紙にオレンジのギンガムチェック
歯医者さんの看板
今日の一曲は、ベタだけど
Fragile/Sting
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