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〈追悼 谷口ジロー〉
谷口ジローさんが2月11日に亡くなった。このブログの原稿をいろいろ用意していたけれど、変更して私がてがけた谷口さんの本のブックデザインを紹介する。
2月17日から20日までソウルにいた。韓国出版学会主催の「韓中日タイポグラフィセミナー」に招かれて研究者にまじってブックデザインの話。セミナーは宿泊したホテルの最上階の会議室。同時通訳で、昼食をはさみ19日の午前9時半から18時まで。最終日の20日には主催者の案内を辞退し自由時間をもらい、ソウルの街を朝の10時から空港お迎えの車が来る午後に2時までぶらぶら。大型書店KYOBO(教保文庫)に行くと、谷口さんの『孤独のグルメ』の韓国版があった。

 

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〈美術館にクロークをお願いします〉
ルカス・クラナーハ展の国立西洋美術館内で見た看板。日本の美術館には、なぜ、海外では当たり前のクロークがないのだろうか。あちらでは小さなバッグ以外、リュックのような大きいものはあずけさせられる。クラナーハ展では、子供は歩かせて、自分たちの荷物をつめたベビーバギーを押しながら鑑賞している親子がいた。クロークがあればあずけられる。ここで美術館の客にたいする気持ちがわかる。クロークならば、係のおじさんやおばさん、あるいはおねえさんとコミュニケーションができる。狭くて淋しいコインロッカーはだめだ。この看板には「大きなお荷物、重たいお荷物以外はお手持ちください」と書いてあるが、そんなに大きなコインロッカーはない。世界遺産の国立西洋美術館なんだからがんばってほしい。入り口にある、あのコルビジュエの建築のファサードに似合わないカギ付き傘置きは、クロークがあればなくせるじゃないか。六本木の国立新美術館は入り口に、エントランスより偉そうにしている紀章先生デザインの専用傘置き場がある。なんだあれは。

 

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〈レナード・コーエン〉
先週、午前中のラジオ(NHK「すっぴん」金曜日)で、今週のMUSIC SCRAPの担当の中原昌也が、先月亡くなったレナード・コーエンが大好きだと言っていた。意外だったが、さすが中原昌也だと嬉しくなる。彼が追悼で選んだ3曲は、Suzanne、Diamonds In The Mine、So Long Marianne。「これ、全部おねえちゃんの歌だね」「ボブ・ディランがノーベル賞をとったけど、レナード・コーエンも、前に候補にあがったんだよね」と語る。彼はカラオケでコーエンの曲を唄うらしい。

 

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〈トランプ〉

「アホ!」「何やて!」「アホ!」「何がアホやねん!」「お前はアホじゃ!」「どっちがアホやねん、アホ言う奴がアホじゃ」子供のときのののしり合いの最後はこれになる。さんざんトランプを馬鹿にして、彼をアホやと言っていたこちらも相当なアホだと思う。他所さんの国の他人事ではない暗い気分にさせられる。アホな世界が充満してくる。感情的になりすぎか。こんな単純なことではない。世界が分断されていることが、さらにあらわになった日。

 

伊野孝行君にトランプを描いてもらった。三点も描いてくれた。

 

トランプ1

 

トランプ2

 

トランプ3

 

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テレビを見ていると、ときどきいい言葉に出会うことがある。
「時が経っても変わらずにいたら、それは新しいものになると信じているんだ」〈パオロの食堂〉店主(世界入りにくい居酒屋・ボローニャ篇)

 

〈教会〉
久しぶりに十貫坂教会。「生きた石として用いられる」、強い言葉だ。生きた石になれるだろうか。

 

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9月24日から27日まで東北に行った。松尾芭蕉の本のために、奥の細道の一部をたどる。松島から出雲崎まで。iPhoneで撮る奥の細道。まず塩竈から松島へ。芭蕉と曾良は、5月9日(6月25日)の朝、塩竈明神に参詣。〈早朝塩がまの明神に詣。〉お昼には船で松島に渡る。〈日既午にちかし。船をかりて松嶋にわたる。其間二里余、雄嶋の磯につく。〉まずは、仙石線で仙台から本塩釜まで。

 

今回は初日24日の写真。東京発9時08分こまちで、10時40分仙台に。11時7分の東塩釜行き、11時36分本塩釜に到着。

 

車内の手作りのマナーポスター。乗客はそんなにマナー悪くない。

 

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〈灘本さん〉
森英二郎さんが、自身のブログMEXOS-HANAXOSで灘本唯人さんの思い出を書いていた。60年代のデザイナーには関西出身のひとが多い。田中一光、横尾忠則、早川良雄、黒田征太郎、長友啓典、山城隆一、永井一正など。伊野孝行君と丹下京子さん、霜田あゆ美さんが灘本さんの絵を描いてくれた。ちなみに、彼らは灘本さんから顔もおぼえられていなかったという。個人的には、灘本さんから60年代と70年代のお話をきちんと聞いておきたかった。残念だ。

 

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〈オリンピック〉
このブログは7月は1回だけ、ついに8月はさぼってしまった。そして、9月になってしまった。7月の二回の選挙の投票率のこと(宮崎県西米良村は参院選で投票率91.13%だ)を書こうと思っているうちに、オリンピックが始まった。東京オリンピックには大反対だけど、見てしまう。開会式の演出は、『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス。シンプルでよかった。聖火がぶら下がるアイデアがおもしろい。その後ろの太陽のような動く彫刻も怪しくてよい。誰だろう。隈研吾はどうするんだろう。音楽もよかった。テレビの解説は、なぜブラジル音楽の詳しいひとをゲストにしないんだろう。盛り上がるのに。閉会式でブラジルのこどもたちがアカペラコーラスで唄った「君が代」に聴きほれる。東京のプレゼンテーションは、渋谷の交差点とマリオのイメージ。今の日本はゲームなのか。それにしても、新聞やテレビの毎日のメダル騒ぎは、はしゃぎ過ぎ。

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参議院議員選挙の公示日の6月22日、東京新聞の朝刊。朝日新聞にはなかった。見出しの書体はヒラギノ角ゴシック体W7。久しぶりに気持ちがよい広告。こんな広告は初めてだ。写真はArkadiusz Podniesiński。福島原発の事故を取材しているポーランドのジャーナリスト。

 

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「TIME」はアメリカの週刊誌。最新6月27日号の表紙。これはオールランドの犠牲者の名前。グラフィックなデザイン。「TIME」は表紙だけでなく、本文のデザインもしっかりしている。もちろん写真は素晴らしいし、インフォメーション・グラフィックもよい。タイポグラフィも水準が高い。日本の雑誌、週刊誌とはくらべものにならない。この表紙は強い。TIMEに限らない、The New York Times、the guardianを見ても、まず写真が、そしてタイポグラフィが優れている。グラフィックデザインが活かされている。平面のページで、動画に出来ないやりかたがあることがわかる。それが気持ちよい。

 

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