Archive
books

「道に落ちてるもんなんか撮ってちゃダメ。ひとの真正面に立って、どうどうと撮るんだ。たまになぐられたりするけど」「普段はカメラ持って出かけない。旅行でも。自分の作品集のために撮るものがあるとき、カメラを持つ。ポーランドでアンジェイ・ワイダに会った時、お前、カメラマンなら俺の写真を撮れと言われて、カメラを持っていないのでかみさんの〈写ルンです〉で彼を撮った。そのとき、ワイダが写してくれた私のポートレートを、本の著者紹介にのせたよ」

 

ワイダの撮った鬼海さんは『印度や月山』(鬼海弘雄著/白水社/1999)の袖にあります。

 

kikai01_cut

Read More

このブログは本のことばかりなので、意外だったという感想を若いひとからもらった。日常のあれこれや、食べもののことなどを予想していたみたい。最初に用意していたのが、ちょっと古い本だった。面白くなってそのまま続けている。ブログは、ツイッターやフェイスブックと違って、じっくり書くことができる。そんな見本が知り合いのものにある。伊野孝行君 http://www.inocchi.net/blog/や森英二郎さん http://arco.blog.so-net.ne.jp、一昨年ヴェネツィアでお世話になった、持丸史恵さんのブログ「ヴェネツィアときどきイタリア」 http://fumiemve.exblog.jpなどだ。

 

Read More

さて、いつも最後に書いている今日の一曲というのは、親友の金森幸介君の日記みたいなフェイスブックと森英二郎さんのブログ〈MEXOS-HANAXOS〉にならってます。ちょっとしたDJ気分でしょうか。自分の好きな曲、私も書いてみたいだけ。

 

このブログで花森安治のことばかり続けるわけにもいかない。もう、そんなに材料はないし。昨日、親しいひとから花森の〈3〉も書くのかときかれた。私がお世話になっている、若い指圧の先生はこのブログを読んで、花森安治のことをおもしろがってくれた。彼女は神戸市灘区出身で、同じではないが、花森安治の卒業した雲中小学校や長田高校(元神戸三中)をよく知っていて親しみがわいたらしい。

 

言い訳になるが、これらは花森についての個人的なメモのようなもの。私はコレクターじゃないので、彼の本の実物に多く接しているわけではない。研究するつもりもない。たまたま手元にある本で、彼のデザインを気に入ったものがあったから分析してみたくなった。

Read More

私のデザインで伊野孝行君が絵を描いた本が、二つ目の賞をもらった。『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』佐々木実著・講談社刊。昨年8月に新潮社ドキュメント賞、そして、今年の4月に大宅壮一ノンフィクション賞。竹中平蔵と小泉純一郎が「構造改革」のもとに、われわれの社会に何をしたのかを見事に描いた本である。多くのひとに読んでいただきたい。

 

ƒvƒŠƒ“ƒg

Read More

門坂流さんが亡くなった。同い年だ。彼とは大阪の同じ高校(私の二つ目の高校)の美術部で出会っている。私はすぐに一年前と同じで、学校に行かなくなりそのまま退学したから、門坂とはそれきりになった。たぶん今から10年前くらいだ。HBギャラリーの誰かのオープニングで彼から声をかけられた。彼は小島武さんと一緒だった。「あの日下君でしょ」。彼は部室のかわりの教室でデッサンに励んでいた自分の横で、デザインの練習をする私を変な奴だと思ってよく覚えていたのだ。その日、声をかけられるまで何も覚えていなかったが、説明されてかすかに遠き日の教室がよみがえってきた。

 

門坂の絵で今でもはっきと覚えているのは、「ワンダーランド」から誌名が「宝島」に変わったときの、片岡義男さんの「ロンサム・カウボーイ」の挿絵だ。それがデビューだったらしい。同じ片岡さんの単行本『町からはじめて、旅へ』(1976)のカバーのサーフィンの絵も彼だ。

Read More

安西水丸さんが亡くなった。タイガーブックスで手に入れた、水丸さんが装幀した本について追悼のために書くことにした。すると、むかし一度だけ水丸さんに会ったことを思い出した。私が東京で仕事を始めた84年か85年頃に、友人の仲原君(通称金太)が編集長の「季刊コミック アゲイン」の表紙のために安西さんを撮影している。夜だったことと、無口だったという記憶しかない。

Read More

PAPERWALL。思いつきは、イギリスの有名なインテリア雑誌「Wallpaper」(壁紙)の前後を入れ替えてみただけ。紙の壁。電子メディアのブログで〈紙〉というのもなんですが、主な仕事がブックデザインなのでこのようなタイトルを考えました。紙の壁ですからたよりないものです。「三匹の子豚」でもさすがに紙の家はない。風が吹いたり火をつけられたらひとたまりもありません。

Read More