18歳選挙、フランチシェク・ビドロ、大阪
非常勤で講師をしている、阿佐ヶ谷美術専門学校の校庭に貼ってあった18歳の選挙のポスター。これはデザインではない。グラフィックデザインで何かを伝えようとしていない。口を半開きにしたセーラー服の少女は何を象徴しているのか。本気なのだろうか。こんなので選挙に行く? 君。
木目調の壁にSTATION CONCIERGE TOKYOとその下にロゴマーク。モダンなホテルの受付みたいなのにデスクの前に、お得意の出力文字貼り紙の「総合案内所」。インフォメーションの〈i〉じゃだめなの? 外国の街や駅、空港などではinformationのiが普通。ちなみに新宿駅は、グローバルスタンダードで一目瞭然。ただ、文字が多くて整理が悪い。デザイン不在の日本の公共空間。
1999年9月6日より15日まで、プラハへ「芸術新潮」11月号の「麗しのプラハ」特集の取材について行った時に買った本が、本棚から出てきた。初めての海外取材同行。プラハにあるアールヌーボー、キュビズムの建築が見たくて、編集部に頼みこんでプラハに行った。
『詩人の一年 Básnikuv rok 1936年の諷刺とアイロニー集 sborníček satiry a ironie na rok 1936』1936年刊/絵がフランチシェク・ビドロ(Franatišek Bidlo 1895-19456)、デザインがラジストラフ・ストナー(Radislav Sutnar 1897-1976)/天地200mm×左右125mm/64頁/本文2色/天アンカット
中綴じというか、頁の一部が表紙にのり付けされて、他の頁ははさまれているだけ。チェコ語はまったく読めないが、デザインと絵が素晴らしい。諷刺の詩にビドロが絵をつけている。
今月は2回も大阪に出かけた。そのとき見かけたもの。心斎橋の駅の階段。しつこいというか、親切というか。これが大阪か。
一方、これはJR中央線高円寺駅の階段の壁。笑うというか、涙ぐましい努力というか。たしかに東京や大阪の大都市の混雑する駅では、のぼりくだりを守らない輩ばかり。スマホに没頭しているから、人のことやマナーに気がめぐらない。
新大阪駅にて「電車にごちゅうい」。これはいい感じ。これも大阪か。
東京のメトロはこれ。
大阪市立美術館にいくために地下鉄駅から地上に出たらこれがあった。歩道橋の太い柱。「美術館」と矢印だけ。直裁すぎる。しかも貼り紙。
兵庫県立美術館の鉄斎展の入り口付近の看板。「鉄斎でげんき。」「鉄斎でしあわせ。」て何。どんな意味があるの。こんな言葉しか思いつかないのか。こういう類いのキャッチフレーズは却下されなければならない。これなら何にでも入れ替え可能だからだ。「セザンヌでげんき。」「セザンヌでしあわせ。」としてもかまわないから。鉄斎のところをゴッホにしても、クレーにしても、ハイボールでもよいのだから、これはやってはいけない文章の初歩。鉄斎なら鉄斎にしかあてはまらない言葉を探さないといけない。これには広告屋さんのすきな丸(句点)までついている。
兵庫県立美術館へ鉄斎展の帰り。阪神岩屋駅近くのカレー屋さんの看板。スジのカレーがイチ押しだとはいえ、キーマとチキンを抑えて「スジ」カレーはすごい。
北大阪急行の江坂駅近くの小さな公園に岡本太郎がいた。
満開の桜の万博公園の屋台。日本的なものではなく、アジア的なものに近づいているように見える
万博公園に残る太陽の塔。
5月のカレンダー。これも小さな陶器製の犬。どこで見つけたか覚えていない。
十貫坂教会の言葉。「閉じていた心の目が開かれる」。あの人たちの心の目は開かれるだろうか。
今日の一曲はこれ。
Go West/Pet Shop Boys