富士見中学、教会、シンケル

近所の中野富士見中学校跡の工事風景。特別養護老人ホームになるという。1986年に日本中を驚かせた、いじめの事件があった学校。その後、たくさんの〈いじめ〉がおきたので、今はもうみんな忘れているかもしれないが、日本の〈いじめ自殺〉の最初らしい。93年にこの町にこしてきたときに、ここがあの中学なのだと思い出した。2009年に廃校。なかなか跡地の利用がきまらずほったらかされていた。去年の秋からやっと工事が始まって、来年の春には完成する予定。樹木や茂みがあるので狸が棲みついていた噂もある。近所に狸が出没するし、我がマンションでも家人が見かけている。狸の巣があるとしたら、この中学校かもしれないと二人で話していた。狸は都内でもけっこう出るらしい。阿佐ヶ谷に住んでいる知り合いが、庭で狸を見たと言っていた。富士見中学は木が多く、校門のそばには見事なしだれ桜があったのだが、今は遠くに見える三本の木だけしか残されていない。以前に工事担当の区役所のひとにたずねたときに、ある程度の木は残すというようなことを言っていたが、はたして桜たちは戻ってくるだろうか。

 

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引っ越してきたときは、このあたりは桜が多く春の犬の散歩が楽しかった。家や建物が壊されるたびに桜の木が少なくなっていく。

 

十貫坂教会 その2
1月18日(日) 「失ってはいなかった」
この仮名の〈い〉の傾きの極端さがよい。失っていなかったのは何か。 愛、友情、信頼、 希望、 自信、夢。勇気をくれるフレーズではないか。

 

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1月25日(日) 「待たれていた帰り」
帰りを待たれていたのはだれだろうか。お父さん。お母さん。認知症のおじいさん、おばあさん。家出した娘。あるいはテロリストに拉致された人。安堵や希望の気持ちがある。

 

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吉祥寺の絵本の本屋さん、トムズボックスで和田誠さんの展示が2月1日(日)から始まる。「ひとコマ漫画展II」。13日(金)には、地下のカフェ「キチム」で『怪盗ルビイ』の和田誠監督のトーク付きの上映会がある。

 

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ベルリン日記 2 10月16日(木)
ベルリンに着いた翌日は雨だった。前の日の夜9時、ホテルにチェックイン。成田からベルリンまでは直行便がなく、フランクフルトでJALからAIR BERLINに乗り継ぐ。トランスファーのAIR BERLINでチェックインのおねえさんが、JALにあずけた荷物三個の札を見て、うちは日本航空とちがって預られる荷物は一人ひとつだから割り増し料金を払えという。それなら、鞄をひとつ戻してくれたら機内に持って行くからというと、しばらくパソコン見つめたあと「今回は見逃します」だと。いまさら荷物をおろして戻せるわけないもんね。乗り継ぎの待ち時間2時間をいれて、ベルリンまで合計15時間25分だった。遠いね。心配だったが、ベルリン・テーゲル空港で無事に荷物を受け取れた。

 

ホテルの近所を散歩する。ホテルはミッテ地区のフリードリッヒ通りに面していたので、ぶらぶら歩いていたら、すぐにコンツェルトハウスの前に出た。これはシンケルの建築。今回はいつものように下調べが十分でなく、あとでそのことを知った。ベルリンにはシンケルの有名な建築がいくつかある。ここは元は国立劇場だ。左右にドイツ・ドームとフランス・ドームという聖堂があり、それらの中央に建っている。

 

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TASCHENのシンケルの本のイントロダクションの冒頭。〈カール・フリードリッヒ・シンケルKarl Friedrichi Schinkel(1781-1841)は、おそらくドイツの建築家で最も知られた存在で、その後「シンケル時代」として知られる、19世紀前半の芸術の時代において、消し去ることのできない足跡を残している。しかし、彼は単なる建築家ではなく、画家であり、総合的デザイナー、舞台美術家、美術評論家、王室公認の建築家でもあった。〉“KARL FREIDRICH SCHINKEL” Martin Steffens, TACHEN, 2003年刊

 

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後日、新ナショナルギャラリーNeue Nationalgalerie(ミース・ファン・デル・ローエ設計)のブックショップで、Gerrit Engelという写真家が撮った、シンケルの建築の写真集がセール品で安く出ていたので買う。“SHINKEL IN BERLIN UND POTSDAM” Gerrit EngeL, SCHIRMER/MOSEL, 2011年刊(英独並記)

 

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今日の一曲はこれ。元はビージーズの曲だけど、アル・グリーンもよいです。
How Can You Mend A Broken Heart/Al Green