今年の年賀状も、去年につづいて伊野孝行さんに絵を描いてもらった。ハンモックで本を読んでいて居眠りしてしまったサルと、スマホに夢中になっているサルたち。
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先日、編集者の友人K氏から、私のこのブログについてお小言をもらった。ときどき書くのではよくない。短くてもよいから、きちんと毎週決まった曜日に出しなさい。そうです。しかし、毎週はとても無理だから、以前のようにせめて月二回、それで日にちをきめよう。とはいえ、こうしてさぼっている間にまた書くことがたまってきた。その後も、指圧の先生と「文字の食卓」の正木香子さんから「まだですか」と問い合わせをうけてしまった。
最初の頃のブログをあらためて見たら、あっさりとして短い。いつから長くなったのだろうか。長くなるから時間がかかる。
このブログの一回目に紹介した、羽良多平吉さんのデザインの『リリイのおくりもの』(1974年刊。羽良多さんは、ご自身でこれが最初に作った本だと「イラストレーション・セミナー 第一回」でおっしゃっていたが、1973年に『狼藉集』草森紳一著の装幀をしておられる。)を見つけてきた、タイガーブックス店主の笠井優さんが亡くなった。53歳。脳出血。タイガーブックスは、私の早稲田の仕事場の近所にある、ブック・カフェCat’s Cradleの店内の片隅に、彼が作った極小の古書店である。ここで佐野繁次郎や花森安治の装幀本をたくさん手にいれることができた。ほかにも、私が好きな装幀者の本を探してきてくれた。このブログで、彼が見つけた小さな宝石のような本のことを書いているが、まだまだ紹介する本がいっぱい残っている。合掌。
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ついに10月は、このブログを一度も更新できなかった。当初、月二回をめざしていたのが、だんだんと月一回ペースになり、一年半の先月はゼロ。もたもたしているうちに自宅で使っているMacBookがこわれてしまった。液晶画面がだめになっただけで、データは大丈夫なようだが、こいつがないと家でブログが書けない。手書きで原稿が出来ない。キーボードでないと長い原稿が書けない。日記やアイデアのノートはペンである。メモ程度だからそれは苦にならない。iPhoneでテキスト作りを試したが、まどろこしくてあきらめた。
伊野君は週一回、火曜日に更新をつづけている。みならいたい。彼のブログ精神は「とりあえず更新することだけが目的のブログです」。それでも毎回ちゃんとおもしろい。とてもかなわないが、目標は彼だ。みなさん、伊野君のブログを毎週見てる?
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大阪の実家の片付けをしていたら、前回に書いた75年のロス・アンジェルスからバークレーまで、I君こと石田長生君と砂川正和君と私の三人の珍道中の写真を見つけた。往路か戻りかわからない。休憩途中の町だ。L.A.とS.F.の間は、5号線で一本道。これはモントレーあたりだったかもしれない。私のポンコツのシェヴィがオーバーヒートしないように、木陰でボンネットをあけてエンジンを冷やしている。三人並んでいるのは、左から私、砂川君、石田君。この写真は誰に撮ってもらったのだろうか。車を止めたところにいた町の人だろうか。覚えていない。私が地図をひらいて、その場所を指差している。こんな写真ではどこだかわからない。
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7月8日、長年会っていなかった古い友人で、ギタリストのI君が亡くなった。食道がん。1975年、私が住んでいたロス・アンジェルスのアパートにやってきた。ウィリー・ミッチェルやアル・グリーンのHi Soundに憧れて、メンフィスへ単身で修行に行く前にしばらく泊まっていった。メンフィスでは、アン・ピープルズとドン・ブライアント夫妻の知己を得た。70年代から80年代にかけて親しかった友人である。私より3歳下。
私の運転するオンボロのシボレー・シェヴィ(60年代に、アメリカがコンパクトカーを作った頃の車。デザインを調べたら、多分シェヴィII ノバSS 1966)で、彼とともにサンフランシスコの対岸のバークレーへ行った。今は亡き砂川正和君も一緒だった。免許を取ったばかりで、初めての長距離ドライブ。大阪の雑誌の「プレイガイドジャーナル」が組んだツアーで、夏休みだから部屋があいているUCバークレー校のドミトリーに知り合いがたくさん泊まっていた。そこでうちの奥さんに初めて会った。彼女は、私の友人の女性にさそわれてこのツアーに参加していた。
南條竹則さんから、ご自身が書いた『吾輩は猫画家である ルイス・ウェイン伝』を送っていただいた。集英社新書ヴィジュアル版。
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フィレンツェに行った。フィレンツェへは、日本から直行便がない。パリで乗り換え。パリといってもシャルル・ド・ゴール空港。行きは3時間35分待ち(接続便のAir Franceが遅れたので30分プラスで本当は4時間)、帰りは2時間40分待ち。 フィレンツエへは、ローマから鉄道で1時間半で行ける。次はそうしたい。
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フォントワークスから電話がかかってきた。「本の雑誌」の私の連載〈装丁ガンコ堂〉に、2月号で筑紫明朝オールドAのことを書いた、そのクレームかと思ったら〈LETS〉の売り込みだった。モリサワの〈パスポート〉など、必要のないフォントがずらずらついている年間契約などはしない。ほしい書体だけ単体で買うとこたえておいた。たずねてみると「本の雑誌」そのものを営業マン氏は知らない。椎名誠さんと目黒考二さんたちがつくった、今年で40年になる日本を代表する書評誌なのだ。文字の勉強会をしている若い人たちも知らなかった。表紙は和田誠さんのデザイン。5月10日頃に出る6月号は、「創刊40周年記念特大号!」と謳っている。それと、創刊号から10号までの10冊が復刻されて、箱入りで発売されるという。このBOXセットは5月20日ごろ発売だ。
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不気味なポスターだ。奇妙なゴシック体で、あまり感心しないコピーがブルーの抽象的な画像(TVCMだと筆で描いている動画が出る)をバックに配されている。筆のストローク。具体美術の白髪一雄さんの作品を使うとか、あれを真似てやってみるとか考えなかったのかな。白髪さんは筆じゃなく足だけど。
「保険は冒険から生まれた」
何、それ? 保険と冒険では対立する考えではないのだろうか。〈冒険〉のために〈保険〉をかけておきなさいということか。このゴシック体は仮名の太さにばらつきがある。エレメントの先端の角が少し丸い。直線の両方の先までが極端な広がり。写植期の書体をまねているように見えるが、これほど極端なのものはなかったかもしれない。
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『Ah-hA to Zig-Zag』マイラ・カルマン/Cooper Hewitt/上製/ジャケットなし/ページサイズ:217ミリ×280ミリ/2014
サブタイトルは、31 objects from Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum
マイラ・カルマンさんの新しい絵本。基本はABCブックだが、まともなアルファベットの本ではなく、工夫があるので面白い。2014年12月に改装が終わった、Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museumのコレクションの中から31点を、AからZまでのイニシャルで紹介している。
扉には、「マイラ・カルマンがこの博物館に行きました。彼女が、コレクションから好きなものを選んで、あなたのためにこの本をつくりました。すべてあなたのために。」と書かれている。
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