私のデザインで伊野孝行君が絵を描いた本が、二つ目の賞をもらった。『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』佐々木実著・講談社刊。昨年8月に新潮社ドキュメント賞、そして、今年の4月に大宅壮一ノンフィクション賞。竹中平蔵と小泉純一郎が「構造改革」のもとに、われわれの社会に何をしたのかを見事に描いた本である。多くのひとに読んでいただきたい。
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私のデザインで伊野孝行君が絵を描いた本が、二つ目の賞をもらった。『市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像』佐々木実著・講談社刊。昨年8月に新潮社ドキュメント賞、そして、今年の4月に大宅壮一ノンフィクション賞。竹中平蔵と小泉純一郎が「構造改革」のもとに、われわれの社会に何をしたのかを見事に描いた本である。多くのひとに読んでいただきたい。
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門坂流さんが亡くなった。同い年だ。彼とは大阪の同じ高校(私の二つ目の高校)の美術部で出会っている。私はすぐに一年前と同じで、学校に行かなくなりそのまま退学したから、門坂とはそれきりになった。たぶん今から10年前くらいだ。HBギャラリーの誰かのオープニングで彼から声をかけられた。彼は小島武さんと一緒だった。「あの日下君でしょ」。彼は部室のかわりの教室でデッサンに励んでいた自分の横で、デザインの練習をする私を変な奴だと思ってよく覚えていたのだ。その日、声をかけられるまで何も覚えていなかったが、説明されてかすかに遠き日の教室がよみがえってきた。
門坂の絵で今でもはっきと覚えているのは、「ワンダーランド」から誌名が「宝島」に変わったときの、片岡義男さんの「ロンサム・カウボーイ」の挿絵だ。それがデビューだったらしい。同じ片岡さんの単行本『町からはじめて、旅へ』(1976)のカバーのサーフィンの絵も彼だ。
Read More安西水丸さんが、あの撮影の間なぜ無口だったのか、その後の仲原君からのメールでわかった。「あの日、安西水丸さんのお母上が亡くなっていたと高取(英)さんに聞きました。それにもかかわらず来てくれたんだと。」
俳句雑誌「ku+」(クプラス)のデザインをした。これは私の友人の俳人、高山れおな君が仲間と出版したもの。高山君は美術雑誌の編集者で本業は俳句。彼の三冊の句集は私の装幀。
第一句集『ウルトラ』(1998)、第二句集『荒東雜詩』(2005)、第三句集『俳諧曾我』(2012)。
Read More安西水丸さんが亡くなった。タイガーブックスで手に入れた、水丸さんが装幀した本について追悼のために書くことにした。すると、むかし一度だけ水丸さんに会ったことを思い出した。私が東京で仕事を始めた84年か85年頃に、友人の仲原君(通称金太)が編集長の「季刊コミック アゲイン」の表紙のために安西さんを撮影している。夜だったことと、無口だったという記憶しかない。
Read MorePAPERWALL。思いつきは、イギリスの有名なインテリア雑誌「Wallpaper」(壁紙)の前後を入れ替えてみただけ。紙の壁。電子メディアのブログで〈紙〉というのもなんですが、主な仕事がブックデザインなのでこのようなタイトルを考えました。紙の壁ですからたよりないものです。「三匹の子豚」でもさすがに紙の家はない。風が吹いたり火をつけられたらひとたまりもありません。
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